荒木飛呂彦は繰り返さない*1
荒木先生に限らず一流の作家は皆そうかもしれませんが、荒木飛呂彦は繰り返さないのです。
多分ジョジョファンは一度は考えた事があるのではないかと思う、当たり前の事を書きます。
あとジョジョ信者の言う事なので全肯定しがちな痛い文章です。ご容赦下さい。
主人公について
- 一部 ジョナサン・ジョースター
- 熱血、紳士的
- 二部 ジョセフ・ジョースター
- 不真面目、冗談好き、おちゃらけ
- 三部 空条 承太郎
- クール、冷静、無口
- 四部 東方 仗助
- 普段は温厚だが、キレると怖い
- …という設定だったがノリのいい普通の高校生になった
- 五部 ジョルノ・ジョバァーナ
- 口調は丁寧で低姿勢だが頭が働き皆を導く
- 六部 空条 徐倫
- チャラい普通の女の子。成長してタフになる
- SBR ジョニィ
- 障害者。絶望の淵から這い上がる
以上のように全員個性が振り分けられているのです。
最近のジャンプマンガは主人公が熱血正義漢ばかりなので少しは見習って欲しいものですね。
余談ですが六部連載時この事に気付いた筆者は「六部で女ときたなら七部は子どもか障害者あたりだな」と考えた所、六部終了時にエンポリオが活躍したのを見て、子どもはもうこれでやったようなもんだな、じゃあ障害者か、と思いました。すると SBR では主人公格がジャイロ・ツェペリでジョニィはそのパートナーとなり、なるほどこうきたかまた一杯食わされたかと悔しがったのであります。
ストーリーについて
一部 ファントムブラッド
小説的展開。発端、前半のクライマックス、確執の生まれ、修行、戦闘、決着、エピローグ。完璧な流れです。
二部 戦闘潮流
ある程度自由度が増します。FFDQ より SaGa 的展開というか。プロローグ、いきなりラスボス柱の男達と戦闘、修行、仲間集め、戦闘、シューティング、決着、エピローグ。
ここで修行、師匠の存在というのがある程度繰り返しになりますが容姿が若い女性のリサリサ先生である事や修行仲間シーザーがいる事が違う点です。
三部 スターダストクルセイダース
修行部分が消えます。移動しながら敵が襲ってくるというアドベンチャー形式に。話のメリハリもつきやすくなります。
四部 ダイヤモンドは砕けない
舞台がひとつの街になり登場人物たちが普通に生活しながら街の各地でフラグを立ててイベントがおきます。シミュレーションゲーム的です。
六部 ストーンオーシャン
刑務所という限られた空間で話を進めます。敵は誰かという謎解き要素もあり、どこかミステリ、サスペンス的です。
ここで再び余談ですが、例えば五部のような、いきなり仲間数人が入る、という展開は非常に魅力的で面白く、話も進めやすいんですよ。ブチャラティチームの能力披露の流れの戦闘は面白いでしょう?一気に手持ちの話のカードが増えますから。でもそれを繰り返さず、別の展開にもっていった。さすがだと思います。
Steel Ball Run
レースゲームです。…がだんだん戦闘がメインになり、最近はそれに加えサスペンス、ドラマ的要素もふんだんに増えてきましたね。
三度余談です。最近また絵柄…というか荒木先生のマンガ、自体が少し変化してきていますね。単行本カバー裏作者コメントにもそういうコメントがあったと記憶しています。
この歳になって……というかここまでの成功、キャリア、歴史を作っていながらここからなお荒木先生は更に変化しようとしている、変化しつつある。これは凄い事だと思います。化け物です。
もうあとは完全に余談
荒木先生が設定をコロコロ変えたりなおざりにするのはもうおなじみの事ですが、これは新しく湧いて来るアイデアが多すぎて過去の設定が流されてしまうからなのではと思います。先生は自身の単行本をほとんど読み返さないのではないでしょうか?
更に、ひとつの設定、枠を設けたとして、その設定、枠を壊したがる、そして、その壊し方も普通に壊すのではなく斜め上の角度から、ありえない方向からありえない物を使ってひととおりでなく壊したがるという傾向があるように感じます。
スタンドがひとり一体だとかもうどんだけ拡大解釈だよ、というか。
自動追跡型スタンドのヨーヨーマッをカエルの脳みそにつないで撃破だとか凄みで敵を感知だとかなんか…こう斜め上感バリバリですよね?
あと思いついた事適当に書きますけど六部は漫画を見た人に「痛み」を感じさせるようなダメージの描写が多いように感じるんですよ。爪はがしたりとか。ケガむりやり縫ったりとか。ただ殴るってんじゃなく。
最近の SBR はサスペンス、ホラー的描写が凄いですよね。なんというかそういう流れなんだと思います。ただ荒木絵の中でどんなとんでもない事が起ころうと我々はけっこう慣れっこになってしまっているのでたいしてインパクトがないのが困りますが。
……とりとめがなくなってきたのでやめます。これなんの文章でしたっけ。